むらふぁけ -murafake- (移行調整中)

ムラカミロキ -MurakamiLoki- nzchao.Exp Official Blog

まあ食え、ドナルド。

某ファーストフード店にてハンバーガーを食う。
自分の金銭事情なんかからやはり
こういったファーストフードを食うことは多いのだが
最近食べててよく思う事がある。
取り分けこの某ファーストフード店M(笑)の
ハンバーガーを食っている時である。


なんというか、目の前にあるハンバーガーが
なんとなく「エサ」っぽく見えるのだ。


「ジャンク」フードとさえ呼ばれ
ひたすらほぼ機械の手で画一的に
大量生産され、人々に供給される
この食い物は
まるで人間のための飼料のようである。
よく「蚯蚓の肉を使ってる」
なんて都市伝説もあるが、流石
にこれは噂の噂で、なにより
どうやら牛より蚯蚓の方が実際にかかる
コストは高いようなのでありえないのだが
牛の普通は使わないような部位の肉まで
ごったまぜのミンチにしていたりはするようで
そんな噂が立つほど品質が劣悪なのは
確かな所もあるようである。
正に火の無い所に煙は立たずと言った所か。


ちょっと前にも
「Mのハンバーガーを一ヶ月食いつづけたらどうなるか」
というようなドキュメンタリーがアメリカで発表されて
話題を呼んでいたが(結果は酷いモノだったらしい)
そうでなくてもベストセラー「買ってはいけない
なんかでも酷評されていたようなので、記憶に新しい人も
多いのではないだろうか。
まあ、そんな情報がなくても
目の前に出されたハンバーガーをマジマジと見つめながら
ちょっと考えてみれば、これが明らかに身体に「良い」
物では無いだろうという事は普通に思う事である。
実際自分の周りにも「Mのハンバーガーは絶対食わない」
と断言している人間もいるほどである。
まあ最近はそれを多少意識しているようで
品質の安全アピールやブランド意識の改革なんかに
力を入れ始めたりもしているようであるが。


一時期には赤字をだしたりはした物の、
これほどにまであちこちで言われても
Mは今だに安定した人気と地位を気付いている。
なぜにこんなものを人々が買い求めるのかといえば
一つはやはりその値段の安さである。
(なにより自分もその一人である)
この値段は何故実現できるのかというのも
有名な話であり、ようはセットのポテトやジュースで
稼いでいたりするからである。
からしばしば店員に
「セットになされますか?」なんて
いらぬオススメをされたりする。
実際、よく金があまりないからとMに足を運んだものの
普通に頼んでいたらそれなりの値段になっていた。
なんて思った事は無いだろうか。
ようは会社側はハンバーガーで利益をだそうとは
考えていないわけで、あくまでハンバーガーの
あの値段は「安い」と思わせるイメージ戦略のための
看板であり、客寄せのピエロなのである。
だがやはり何にでもやりすぎというものはある物で
ハンバーガーを60円程(失念)にまで落とした時は
客がハンバーガーのみを大量買いする事態が急増し
利益が出せなくなったので
すぐさま取り止めにしたりしている。
だが逆にこれは、この話の裏付けともとれるだろう。


こんなのに加えて、Mに感嘆する所は
子供にしっかりと目を向けている所である。
人間の味覚はそのほとんどが幼少期に完成される。
したがって子供の頃にしっかりと様々な味に慣れさせて
おけば好き嫌いはあまり無くなるし
逆に幼少時に偏食にさせておくとそれは大人になるまで
偏食のままだったりする。
Mはこの辺をよくとらえていて
子供の頃からハンバーガーの味に慣れさせておくために
子供にうけるキャラクターなんかと提携したりして
なんとか子供を放さないようにしてるわけである。
まさにエサを与えて大きくした後、肉にするように
未来のお客様にオモチャを与えているわけだ。
そのせいか、「Mのハンバーガーの味が駄目」
という人は極端に少ない。
こうして幼少期からMの味に慣れさせられた子供達は
成長してもMの味を離れられず足を運び
やがては自分の子供達をMに連れてくる。
という正にハッピーセットなサイクルが
出来上がる訳である。


こうしてボケっとハンバーガーを頬張っていると
実は自分達は、知らず知らずのうちに
企業に、いや社会に飼いならされているんじゃあないか
とさえ思えてくる。
ハンバーガーを買うために列を作っている人々は
エサを貰う為に鎖で並べられている牛達と
さして変わらないんじゃあないだろうかと。
牛達はエサを貰った結果、自らの肉を差し出すわけだが。
人々はエサを貰った結果、自らの金を差し出すわけだ。
中でハンバーガーを作り売りさばく人達も
そうして稼いだ賃金の何割かは、Mでこそ無いかもしれないが
似たような「エサ」を買うために使うのである。
つまりエサを買うためにエサを売っている訳だ。


まったく、世の中というのは良くできているもんである。
こうして人々の血肉である金は何処に行くかと言えば
まあ所謂「上の人達」である。
彼らはエサを売った金で自らの食事を手に入れる。
別段これはMに限った話でもなく
今の世の中、程度の差こそあれどあらゆる所で
似たような事は起こっているのだろう。
だから別にMを食うのを止めた所でさして
変わる事も無いのだろうかと思う。
人々が作り上げた社会は人々を飼いならして行く
のかもしれない。


そんな事を考えながら、今日もチーズバーガーを
頬張っている訳である。
マクドナルドさん、そろそろ100円メニューに
新メニュー追加してくれないでしょうか。