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ムラカミロキ -MurakamiLoki- nzchao.Exp Official Blog

?かみの毛は毛のみか?

髪の毛を切りに行った。
以前切ったのは何時の事だったか
まったく覚えていないが
まあ、とうに忘れ去るほど昔だったのは確かである。


おかげ様でわが毛髪諸君は
刈り取られない事をいい事に
空き地に溢れ返る雑草のごとく伸び盛り
もはや手の着けようのない状態であった。


久々に会った友人にも
「ムラカミ髪伸びたなー、ロン毛じゃん」
と言われる事しばしばであった。
そんなのはまあいいのだが、果てには女の子に
「え、ムラカミ君、髪、伸びてるよー


 気持ち悪いよー」


と言われる事数回。
友人に
「お前、覇闇みたいだぞ」(一部向け)
と言われる事一回。
「お前がさー、竹間にしか見えないのよ」(またもや一部向け)
と言われる事一回。
親に
「あんたいい加減髪切りなさいよ
 それはオタクよオタク、オタクオタク!」
と言われる事数十回である。


自分でもいい加減長いなとは思っていたのだが
いかんせん髪の毛を切りに行くのに


金を払うのが勿体無い。


と思う性質の上なにより


切るのが面倒臭い事この上ない。


性分なもので結局なんだかんだで先延ばしにしていた。
よくオタクで無駄に髪が長いのが多いのは
・髪を切る必要を感じないから

・髪を切るのに金を割くぐらいなら趣味に使う
場合が多いからで、結局切りに行くのはせいぜい年に二回ほど。
でああいう髪型になったりするらしい。
そう考えると、自分が親にオタクと指摘されたのは
あながち間違いでは無いように思える。


そうか、俺はオタクだったのか
いやでもオタクの皆様ほど特出した知識もないから
せいぜい「なんちゃってオタク」と言った所か。
ここでオタク論についてどうこう言うつもりもないから
まあどうでもいいが。


さらに、なにより自分の周辺には
「いつの時代のヒッピーですか?」
と尋ねたくなるような人物がちらほら存在するので
どうしてもまだ大丈夫だろうと思ってしまうのである。



が、ついに最近この長さにより私生活に
支障が生じ始めた。


1.火災の危険
喫煙所で煙草を吸おうとしたら
前髪が普通に燃えた。
焦げた、とかではなく普通に燃えた。
擬音で表すなら間違いなく
「ボォォー」
である。慌てて振り払ったのでなんとかなったが
後一歩でリアルなスーパーサイヤ人である。
まさか髪の毛の長さで命の危険を感じるとは
さすがに思わなかった。
ちなみにこの時目の前にいたおじさんが
文字通り目を丸くしていたのは言うまでもない。


2.異臭の危険
ここ最近都合により二、三日風呂に入れない事があったのだが
そのままスタジオ入りし、ドラムを叩いていた時
最初はまあ髪の毛が邪魔だ、ぐらいだったのだが
やがてヒートアップし、心も身体も熱を持ってきた
その時である。
「臭え!」
「頭皮とかじゃなくて毛が、
 この目の前の毛が、毛が臭え!」
高速16ビートを刻みながら私は吠えた。


3.視界不良
先日のライブの時である。
普段ならまあ邪魔なら手で掻き分けるだの
なんだのできるのだが
この時両手はベースを抱えて放すわけにもいかない。
そしていざマイクに向かおうとしたその時
「何も、見えん。」


僕は髪の毛を切る事を決めた。


切るにしても金を使うのはやはり勿体無いので
とりあえず自分で切る事にした。
今までも何度か自分で散髪した事はあったので
まあ別段難しいものでもない。
が、新聞紙を敷き鏡の前に立ち、いざ鋏を入れようとしたのだが
「ここまで来るとまず何をどうしたらいいのかさっぱりわからん」
のである
事態はすでに手遅れになっていたようだ。


僕は美容室に行く事を決めた。


そういう訳で、脱・なんちゃってオタクをするべく
気分は電車男で美容室へ向かった。
何故、美容室かと言えばまあせっかく金を出す
のならそれなりにしてほしいのと
なりより一つの挑戦をしたかったのである


パーマ。


美容室で一番困るのは何と言っても
「今日はどんな感じにしましょうか?」
の瞬間である。
何故ならこっちは別にやりたい髪型があるから
来たわけではなく、単純に長いから切りにきただけなのである。
それでいて変な髪形にされるのは御免だという
大変面倒臭い人間なのである。
さらに「モテ髪ヘアカタログ」みたいな物を
持ちだされても
「うむ、これは確かにカッコいい、が
 果たしてこれが俺に似合うのか?
 なによりこのカッコ良さの欠片でも滲みでるのか?」
という疑惑の念で一杯である。
しかし今日は伝える内容が一つあった。


パーマ。


「今日はどんな感じにしましょうか?」
「えーと短くして下さい」
「えっとどれくらいですか?」
「あー大体この辺ぐらいっすかねえ」
「え、あ、はい」
「あとパーマかけて下さい」
「どのパーマになさいますか?」
「え・・・いやパーマ・・・」
「色々ございますが」
「え、色々あんの!?」


パーマはパーマだと思っていたパーマ初心者の
自分にとってこれは衝撃だった。
色々なやんだ挙句出てくるのはいつもこれである。


「とりあえずまかせるんでカッコ良くして下さい。」


我ながら最悪の客だといつも思う。
結果は無難な感じに緩くかけてもらった。
まあここでアグレッシブに動かれても困るのだが。
このアフロにされても仕方が無い自分の注文に
それなりに仕上げてくる美容師は流石プロだと
毎度思わざるをえない。


だがやはり髪を切るとサッパリするモノである
一説によれば髪の毛にはその時の体調やらなんやら
の痕跡が事細かに記録されているらしい。
極端な話、生まれてから一回も髪を切っていない人は
その一本の髪の毛を調べれば、今まで生きてきた
あらゆる時期の体調などの情報が解るわけである。
そういえばどっかの国の奥地に一生で一度も
髪を切ってないお婆さんがいた気がするが
(その人の髪は毛先が茶髪、中盤の大部分が黒髪
 根本の部分が白髪になっていた
 長さは数メートルから数十メートルあったと思うが定かではない)
失恋で髪を切ったりするのも
あながち根拠のない迷信ではないようである。


ちなみに帰り際の美容師さんの言葉
「もっとクルクルの
 オバサンパーマみたいのも似合うと思いますよ」
思ったけどやらないあたり、流石プロである。


機会があったらやってみます。