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行け!ブクロに!

夏休み?
ああ、そう言えば世間は今夏休みなのか


ここ最近ずっと休日みたいな生活してた
から気づかなかった。


最近気づいた事実
動かないから金が無い
金が無いから動かない
相変わらずのそんな感じですが
だがしかし、先日の土曜日(8/26)は
珍しくえらい事になりました。


テアトル新宿で石井輝夫オールナイト


新文芸座今村昌平オールナイト


テアトル池袋でラストアニメオールナイト


銀座テアトルシネマでデヴィッド・リンチオールナイト


まあそれは土曜の夜だ、確かにオールナイトが重なる事はよくある
だがしかし、まさかこれ程見たい物が一機に四つも重なるとは


久々に本気で頭を使ってみたが
やはりどうあがいても四つを全て見るのは無理である。
なんというか、もう少しお前達気を利かせてくれ
特に東京テアトル
シアターをテアトルとか読んでる場合ではないぞ、これ。
まあそれほど客層もかぶらないのかもしれないが
こういう他愛の無い行為で本気で悩む人間もいるのだ。
中々に甲乙つけ難かったのだが
(予断だがこういう日にバンドの練習が重なったりすると
 本気で人生やめてやろうかと思う)
散々悩んだ結果
デヴィッド・リンチで無難に(?)落ち着く事にした。



結局行ったのはアニメオールナイト


何故か、ちなみに内容は
「アキラ(DSR版)」「老人Z(HDマスター版)」「東京ゴッドファーザーズ
「パプリカ最新映像」「千年女優切抜き映像」「アニメ予告編大会」
+抽選会

なんかで、まあどれも好きなんではあるが
老人Zはまだいいとしても
アキラなんかはDSR版だろうがなんだろうが
こういうイベントで事あるごとに上映するので
腐るほど見ているし
(というかあまり自分は5.1chと言うものに思い入れがない)
東京ゴッドファーザーズは未見だったが
まあパプリカが近い内に上映するので
その頃に「今敏特集」とかでどっかでまた上映するだろうし
最新映像なんか先に見るならちゃんと出来上がった
完成品を見たいしで


正直目当てが予告編大会と抽選会になりかねない有様で
個人的には一番食指が動かなかったのだが


寸前で知った事実、
テアトル池袋は2006年8月末日(今日)
で閉館なのである。


だから「ラスト」アニメオールナイトだったのだ。


そうとなれば話は別である。
一路、池袋へと向かうことにした。


池袋は色々と馴染み深い町である。
実家が西武池袋線沿線にあったので
一番身近な都心の一つであった、
というのもあるのだが
何より一番思い入れがあるのは浪人時代である
自分は当時池袋の駿台予備校に通っていたのだが
まあ自分の事である。案の定、予備校はやがて
昼出勤となり、やがてぼちぼちと・・・
いや、勉強はそれなりにしていたのだが
(まあ今思えば受験生の癖に「それなり」とか
 言ってる時点であまりしてなかったような気もするが
 それでも自分の人生の中ではしていたのだ)
それでも定期はあるので池袋へは足を運ぶ
そこで予備校の代わりになったのが
池袋ジュンク堂という膨大な書庫の巣窟である。
自分は何故か図書館と言う物があまり好きではないのだが
(ちなみに紀伊国屋もあまり好きではない
 理由はよく解らない。ちなみに古本屋は全般的に好きである)
このジュンク堂にはすぐさま入り浸るようになった
ジュンク堂は買う前の本を椅子に座って閲覧できる
 つまりは買わずに幾らでも読める)
なによりそこに並べてある膨大な書籍をプラプラ
眺めているだけで不思議と飽きなかった。


そして昼はラーメンを食べに行った。
池袋は言わずもがなラーメンの激戦区であるので
これまた膨大な数のラーメン屋がある
昼飯の時間になる度新しい店を開拓していくのが
一種のスタンプラリー(というか桃鉄?)のような
楽しみがあり、最終的に東口方面の主要なラーメン屋は
大概制覇した。


そしてこの頃はバイトもしていなかったので金も無く
酒もあまり呑まなかったし諸々の事情で
バンド活動もしていなかったので
(これについては色々とご迷惑おかけしました
 おかげさまで今何とかなってます)
所持金の八割はラーメン代に消えていた気がする。


そんなこんなである日のこと
いつものようにラーメンを食べて店を出た帰り
サンシャイン60通りを歩いていると
ハウルの動く城」の看板がデカデカとかかった
池袋シネマサンシャインがあった。
自分はハウルなんて見るからにつまらなそうだし
友人達の評判も最悪だったので
絶対に(少なくとも劇場で)見る事なんて無い、と思っていたのだが


何故かその時、そこに入っていったのである
(何故そんな事をしたのか思い出せないのだが
 確か看板の犬、ヒンだかと顔上げた瞬間ふっと目が合って
 驚いたのだけは覚えている。多分一時の気の迷いだろう)
で、見た結果はと言えば
ハウルの動く城」は今でも自分の好きな映画の上位に
ランクインしている。


映画は以前から好きだったし、見てもいたが
この時から「映画館に行く」という行為が
自分の中で今までと少し変わった気がする。


だが、シネマサンシャインにはそれ以降はあまり
足を運ばず、代わりに興味を引いた「映画館」というのが
新文芸座」と「テアトル池袋」だった。
(といっても当時の自分は如何せん金が無いので
 行くのも本当に時たまと言う感じであったが)
新文芸座は言わずと知れた名画座
今でもお世話になっている。
しかしテアトル池袋というのは
所謂名画座ともミニシアターとも、また一味違う雰囲気を
持っていたと思う。
元々は通常のロードショー館として1980年にオープンしたらしいのだが
その後に傾向を変えて行った。
(ムーヴオーバー館、アジア映画専門館等の時期もあったらしい)
最近ではアニメ専門館的なイメージも強い。
そんな遍歴を経たせいか、何か特定のイメージが
掴みにくいハコだったような気がする。
大抵の映画館というのはある程度その映画館の色が決まっていて
前を通ると、「あーまたこんな感じのやってんだー」という
風に思う事が多いのだが
このテアトル池袋に関しては、前を通る度に
「え、次これなの?」
と思わされる事が多かった。
普通の大手ロードショー作品を上映していたかと思うと
突然どっかの学生のアマチュア作品のイベントをやったり
かと思えばどこかのミニシアター系の作品をあげつつ
タツノコプロのオールナイトをやって
気がつけばまた大手のロードショーだったり。
実際どうだったか定かではないが
とにかくそういうイメージがある。
なんというか、「面白ければなんだってやってやる!」
のような(実際の経営方針はどうか知らないが)
何処か枠に捕らえにくい、何処か雑多な
熱い意気込みを感じさせられる気がする所だった。
この映画館はデジタル上映設備にも
いち早く手を出したらしく
DLPプロジェクターやHDカム、デジタルベータ、DV設備なんかも)
そういったおかげでデジタル化で低コスト低人員で
制作が可能になったアマチュア作品の上映なんかも
できたのだそうだ。
実際アマチュアの登竜門的な位置を狙う
企画経営方針もあったらしい。


そんな、とりあえず面白い所だったのだ。


おかげさまで自分にとって池袋とは
東に西武でも西に東部でも
高くそびえるサンシャインでもなく

ジュンク堂とラーメンと新文芸座


そしてテアトル池袋であった。


そしてそのテアトル池袋が今日で閉館である。
最後の上映は今話題の「時をかける少女」の
レイトショーだそうだ。
細田守監督の舞台挨拶もあるらしい。


実際、自分はそんなに多く足を運んだ
訳ではありませんが
スクリーンが座席数のわりにちょっと小さいのを除けば
なかなかいい映画館だったと思います。
二十六年間、お疲れ様でした。
ラストオールナイト、
なんだかんだで色々面白かったです。





ん?


ちょっと待て、自分さっき散々土曜の夜は
オールナイトがどうとか言ってたが
普通、土曜の夜はデートとかじゃないのか?
ん?
あれ?


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