むらふぁけ -murafake- (移行調整中)

ムラカミロキ -MurakamiLoki- nzchao.Exp Official Blog

!8 vol.2 始まってました


今年の春〜夏にかけて東京を巡回上映した「! 8 - exclamation8(※)
のvol.2が早くも始まっていました。
いや、告知が遅くて本当申し訳ないんですが今回はなんと山形での遠征上映まであり、
先週末にその山形上映が無事終了したのです。
そして来週から年をまたいだ東京上映開始。
今回自分は「活<断>荘」という作品を出品しております。
みなさんよろしくです。




『! 8 - exclamation8 vol.2 山形〜東京〜』


デジタル映像全盛の現代ではほとんど使われなくなった8mmfilm。しかしフィルムにはデジタルにはない映像の質感があります。今もなお8mmfilmを愛し、制作し続ける作家たちの新作短編8mm映画を多数上映します。是非この機会に、フィルムの中でも一番小さい8mm映画を観て、聴いて、触れて、そして体感してください!




2012年11月24日(土)
山形県  蔵「ダイマス」
〒990-0033 山形県山形市諏訪町一丁目4番10号
16時〜 Aプロ
17時〜 Bプロ
18時〜 Aプロ
19時〜 Bプロ
全プログラムで¥800(ドリンク付)
お問い合わせ:kayako@yidffnet.jp
http://kaiyuu-daimasu.info/


2012年12月8日(土)
東京都 「ギャラリー世田谷233」
19時30分〜 A/Bプロ
全プログラムで¥800
http://233.jp/


2013年1月26日(土)
東京都 谷根千「記憶の蔵」
17時30分〜A/Bプロ
全プログラムで¥800
http://www.filmpres.org/


上映作品


●Aプログラム
水由章 『瞬息10』 2012年 3分 single8
新宅 謙吾 『Sound out』 2011年1月〜2012年10月 2分50秒 single8
田中可也子 『ひかりつむぎ』 2012年 3分 single 8
水野裕基 『かつてあなたが夢見たもののすべてに』 2012 5分 single8
加藤到 『情報かノイズ』 2012 5分 single8
白岩義行 『はじめての上映会』 2012年 5分 single8
小畑円香 『あそび』 2012年 3分 single8
石川亮 『GLOW』 2012年 5分 single8
日景文雄 『影をなめすと』 2012年 5分 single8


●Bプログラム
川口肇 『残像の月』 2012年 3分 single8
清成晋太郎 『みえない戦争』 2012年 5分 single8
白木羽澄 『スラー』 2010年 2分 Single8
ムラカミヒロキ 『活<断>荘』 2012年 5分 super8
黄木優寿 『睡溶棲』 2012年 3分 super8
太田曜 『L’Image de la Pucelle』 2012年 5分 super8
渡邉隼人 『記憶の抜け道』 2012年 5分 super8
末岡一郎 『All About Kristiania』 2012年 5分 super8 
徳永サイパン彩加 『祖母』 2012年 3分 super8
新井潤峰 『CHimchee』 2012年 5分 super8

主催
spicefilms
東京を拠点に、フィルム作品の上映会企画やワークショップ、イベントの開催など、幅広いフィルム活動を続ける若手像作家集団。
web http://spicefilm.blog.fc2.com/



共催

●山形会場
ギャラリー絵遊 蔵「ダイマス」
Web http://kaiyuu-daimasu.info/

●東京会場
ギャラリー世田谷233
Web http://233.jp/
根津映画倶楽部
Web http://nezueigakurabu.blog42.fc2.com/
Twitter @nezueigaclub


協力
8mmFILM小金井街道プロジェクト
東北芸術工科大学映像学科
谷根千「記憶の蔵」


後援
山形国際ドキュメンタリー映画祭





作品・作家紹介


●Aプログラム


『瞬息10』
2012/3分/single8/sound

8mmフィルムの1マガジンを無編集、つまりカメラ内編集で作品化することを条件に、制作している「瞬息」シリーズの第10弾。フィルムが入手できるのも残り少ないシングル8で「瞬息」シリーズ恒例の武蔵野公園のはらっぱと湧水に登場して頂こう!

【水由章】
1984年から一貫して8mm、16mm映画フィルムによる映画制作を続けている。作品数は40本余を数える。代表作として『瞬息』(1997)、『水光色』(2002)など。ロッテルダム、アナーバーなど海外映画祭での上映も数多い。


『Sound out』
2011年1月〜2012年10月/2分50秒/single8/sound

息子の成長を見守る中で、最もラディカルなのは、二足歩行、そして、言語の習得である(今のところ)。言語は、はじめ、詩のようなカタチで現れる。親からすれば単語ともいえない音素の羅列、子からすれば気持ちの具体的な発露だ。それがやがて単語になり、歌になり、絵本の暗唱へとなって親をおどろかせ続けている。息子との音声によるやりとりを、8ミリフィルムのマグネに収めてみた。

【新宅 謙吾】
1974年生まれ。東京都出身。小金井市の団地に妻、息子と在住。会社員。8mmFILM小金井街道プロジェクト メンバー


『ひかりつむぎ』
2012年/3分/single8/sound

光は色 光は記憶 光は音 光は匂い 光は味 光は温度 光は刺激 光は生。宇宙にいっぽんしかない私の光をつむぐ。

【田中加也子】
福岡から山形にきて6年目。東北芸術工科大学でテキスタイルを専攻するも、フィルムに出会いその魅力にとりつかれ、卒業後は同大学院で実験映画をまなぶ。いい匂いのするほうへ歩いていったら、すてきな変な人たちとどんどん繋がって、いまこうしてます。


『かつてあなたが夢見たもののすべてに』
2012年/5分/single8/sound

時折、ある一点に留まり続けているような錯覚に陥る。それは電車に乗って移動しているときも同じで、風景ばかりが流れ、どこにも逃れることができずに、ただそれを見つめている。流れは既に淀み、腐っているのだろう。

【水野裕基】
1984年生まれ。文化的飢餓状態を脱するため、砂漠の街から上京。時折経歴と身分を詐称しながら、探偵として日夜徘徊している。2000年代中頃より妄想・思索の一手段として8ミリでの映像制作をのんべんだらりと継続中。


『情報かノイズ』
2012年/5分/single8/sound
研究室の冷蔵庫にずっと眠っていた8ミリフィルム。何処で手に入れたか覚えていないが、たぶん30〜40年前、白黒フィルムに至っては、それ以上と推測出来る。さてこのフィルムにとらえられるのは、情報?又はノイズ?

【加藤到】
映像作家、東北芸術工科大学映像学科教授


『はじめての上映会』
2012年/5分/single8/sound

(※下記、間違いでなく作品解説です)
上映会の企画をしているIさんに声をかけてもらった。遂にこの時がやってきたのだっ!そう、上映会デビュー!どんなのをつくろうかなぁ、ファイトが湧くぞーー!

【白岩義行】
しがない会社員を辞め、しがないバイト清掃夫として労働しつつ、イメージフォーラム映像研究所に通う28歳。同世代の多くは安定への道を歩み始める頃に人生の袋小路へ足を踏み入れつつある血迷った28歳はじめての上映会。


『あそび』
2012年/3分/single8/sound

どんな大きな感情がおこっても「無」でみつめてしまう。こま切れにたんたんと流れるイメージは私の理想かもしれない。いつ途切れてもおかしくはない、危険な賭けごと。

【小畑円香】
1990年生まれ、和歌山県和歌山市出身。高校時代よりフィルムカメラでの写真撮影を始める。同じく物質的に目の前のものを手元に残すことが可能な媒体として、8mmにも興味を持ち始める。女子美術大学在学中。


『GLOW』
2012年/5分/single8/sound

コマーシャルフィルムから映し出された 映像は企業による量産された商品イメージの戦略と現代社会による洗脳的イメージの過多を映す。より断片的にそのイメージを再構築し改めて見る事により全く違ったイメージを映す。非商業的な作品

【石川亮】
1984年東京生まれ W大学中退 都内某所で毎日35mmフィルムを扱う仕事をしている。2000年頃より映像制作を始める。フィルムによるコマ単位で形成された時の流れや、乳剤により映し出された物質としての時間の流れに興味を持ち、近年はフィルムによる映像作品 / インスタレーション作品 などを制作。また上映企画゛cinema cinema cinema゛(2009)゛smallformat゛(2011)や自家現像ワークショップなどの企画、運営活動を行っている。


『影をなめすと』
2012年/5分/single8/sound

ある日、フィルムに付着したほこりをとろうとフィルムをこすっていると、一瞬だが蛍光のようにそれ自身でかがやく光がみえた。もっと長くみたいとおもった彼はフィルムをなめしにかかったのだが。。

【日景文雄】
1986年8月6日生。青森県弘前市出身。フィルム、ビデオで映像制作を続けている。




●Bプログラム


『残像の月』
2012年/3分/single8/sound

網膜に残された鮮やかな残像は、眼前の風景と融け合ってニュートラルグレイへ、そして粒子の蠢きへと還元されてゆく。旅する眼球は妄漠たる世界をさまよう。爪跡ひとつつけられぬまま、忘却に至るなかばで記憶は、世界は混濁し、消散へと向かうのだろう。

川口肇
filmmaker。福岡、山形、東京と活動の場を移しつつ、フィルム粒子/ビデオノイズ/映写行為、といった「機械の生理」を基軸に、世界の観測としての作品制作を続けている。


『みえない戦争』
2012年/5分/single8/silent

戦争がはじまったが、敵は目に見えない。爆音は聞こえず、空襲警報も鳴らないが、いつの間にか徴兵されている。そのような状況下における幸福とは何かを探る。

【清成晋太郎】
福岡県福岡市出身。東京都小金井市在住。2007年より8ミリフィルム撮影を開始。架空のバンド、テイストオブハニーズ主宰。


『スラー』
2012年/2分/single8/sound

息をする事についてずっと考えてた。息を吐かないで、ずっとずっと吸ってばかりいた。

【白木羽澄】
高校の授業で映画作りに興味を持ち始めるも、すぐに先生が入院をして「パイレーツオブカリビアン」を観るだけの授業になる。映画を作りたい気持ちはありつつもカメラを持つ事無く、大学に入学。以後、フィルムの魅力に取り付かれている。


『活<断>荘』
2012年/5分/super8/silent

括断荘という家に住んでいた。今はもう無い。名前の由来は活断層のように力溢れる場であると同時に「括りを断つ」自由で垣根の無い場であれ、という事だと聞いた。確かに「活きるを断つ」のでは些か縁起が悪い。

【ムラカミヒロキ】
自称虚構家。自由睡眠権運動をこよなく愛するゲロリスト。ライブをしないパンクバンド「テープ・リール・フール」、自主制作映画共同企画「NO波」などで不定期に活動。
http://d.hatena.ne.jp/murafake/


『睡溶棲』
2012年/3分/super8/silent

フィルムが走る音とともに、あるき、ねそべり、ころがり、たゆたう日。

【黄木優寿】
1977年山形県米沢市生まれ。東北芸術工科大学修了。8mm50ft無編集シリーズ『えくおとさず』、絵本作家・イラストレータ荒井良二の展覧会の記録『まわりみち、あしのねいろ』が、ロッテルダム国際映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭の端っこなどで上映。現在、山形国際ドキュメンタリー映画祭スタッフ。 


『L’Image de la Pucelle』

2012年/5分/super8/silent
読み方:リ・マージュ ドゥ ラ ピュセル
意味:乙女のイメージ

フランス語でピュセル(乙女)と言えば“オルレアンの少女”ジャンヌ・ダルクの事だ。イギリスとの百年戦争の時に聖女カトリーヌ等からの“声”を聞き、オルレアンを解放する等数々の戦果を挙げ、シャルル7世をフランス国王としてランスのカテドラルで戴冠させたフランスの救世主だ。しかし、ジャンヌはコンピェーニュで捕えられ“異端”として火炙りにされてしまう。彼女を崇める事を恐れたイギリス(軍)は彼女の灰をセーヌ川に流してしまう。
異端として処刑されたジャンヌ・ダルクは貴族でも高位聖職者でもなかった為に何一つそのイメージが残されていない。しかし、その後フランスの威信をかけた運動もあってカトリックの聖者になった乙女ジャンヌは多くの絵画、彫刻の題材になる。元々、その姿が何一つ記録されていないのにも関わらず。そこには、フランスやその他の国々でジャンヌ・ダルクのイメージを政治的、あるいは商業的、あるいは何らかの意図に利用しようとの思惑があったし、それは今も続いている。
この作品では、そんな利用され、消費され続ける乙女のイメージに関する分析を試みる。

【太田曜】
フィルムは消滅してしまうのだろうか?早く足を洗った方が良いのだろうか?で、何をやる?もし、レンブラント位上手なら絵描きだろう。でも、どうすればレンブラントのように上手な絵画が描けるようになるのだろう。


『記憶の抜け道』
2012年/3分/super8/sound

記憶はあいまいであり、常に修正されている。実際に起こったことも、起こらなかったことも、記憶として残されている。事実などはどうでもよい。問題は記憶されるときに残される真実の内容である。

【渡邉隼人】
1986年5月6日新潟県生まれ。おうし座。O型。上映に限らず、展示やパフォーマンスなども行う。


『All About Kristiania』
2012年/5分/super8/sound

家庭に浸透した小型映画は、コンテンツの機能を拡張させた初めてのメディア、と言える。ヴィジュアル・テキスト(教本)はその一例であろう。実際、言葉で"スキーのターン"をイメージさせる事は至難の業だ。ただし問題は、映像メディアが可変的である点だ。再生方法を誤れば、そのコンテンツは意味を逸脱してしまう。

【末岡一郎】
1965年、札幌生まれ。東京理科大学で化学を専攻する。
1985年から実験映画を制作し始め、作品数は100作程となる。
1994年ドイツ・オーバーハウゼン国際短編映画祭でノミネートされて以降、30カ国以上で招待上映される。
2011年9月にはスロヴァキア・ブラチスラヴァ・アート・フェスティバルで特集上映される。
1997年以降、ファウンドフッテージを用い、自家現像による「物質的」なフィルム作品を制作し続けている。


『祖母』
2012年/3分/super8/sound

2012年8月13日、祖母が死んだ。その、連絡が来たのは朝の7時だった。飛行機で東京から故郷の鹿児島へ帰り通夜の準備へ。その、記録。私と祖母の最期の思い出。

【徳永彩加】
1989年に頴娃町(鹿児島県)で生まれる。18歳の時に初めて8mmフィルム作品をつくる。それから実験映画に興味を持ち東京で8mm、16mmフィルムで映像作品を制作。現在は東京でアーティストとして活動中。


『CHimchee』
2012年/5分/super8/sound
これはキムチの映画です。白いキムチが、異国からの唐辛子によって
赤いキムチになったように、自らのルーツをフィルムにおさめ、それを赤く染め上げました。民族と、「赤」についての考察。

【新井潤峰】
在日3世として日本/大阪に生まれる。学生時代に美術を学び、美術館やギャラリーでグループ展を度々行う。美術教員経験後、上京。2011年より8ミリフィルムによる制作・上映会をスタート。