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ムラカミロキ -MurakamiLoki- nzchao.Exp Official Blog

欲求は良く食う事

お久しぶりです。なんとか元気にやってます。
ここ二、三ヶ月くらい月末付近にガッツリ働いて
後はひたすらダラダラ過ごすって生活が板に着いております。
バンドやその他今まで何だかんだ継続的(?)にやってきた
活動もお休みで、本当に平和な日々が続いております。


そんな生活なもんで、予定を合わせるのが比較的容易なせいか
最近微妙に会ってなかった人々と
これまた微妙に久々な再会をする機会がこれまた微妙に多いです。


で、そうゆう時に大体ふられるのがこの類の会話。


「最近何してんの?」
「いやー特に何もしてないわ」
「何もしてないって家にいんの」
「まーそうかなー」
「家で何してんの」
「いやー特に何するって訳でもないんだけど」


細かい所は違えど大体こんな感じの話題が一度は出ます。
で、何かお茶を濁すような返事を毎度しているんですが
実際自分は普段何をしているのかと考えてみると
これが本当に特に何もしてないから困った物で
その感じを言葉で説明するのがちょっと難しいんですよね。
そりゃあ寝たきり老人な訳ではないですから(限りなく近い時はありますが)
大部分は寝ても、まあ飯食ったりたまにこうしてネット繋いだり
パラパラ本読んだり天井見つめてボーっとしたりとか
一個一個探って行けばそれなりにあるっちゃあるんです。
が、それらにしても一定時間集中したりハマッたりしてるわけでもなく
一週間に一度やるかやらないかぐらいの頻度だったりして
結局はこれといって特に何もしていない。という事になる。
で、そんな中色々考えてて、やっと一つの丁度いい答えを見つけました。


「最近何してんの?」
「うん、生きてる!」
「ああ生きてるんだ」
「なんだかよく解んないけど、とりあえず俺、生きてる!」


「生きてる」なんとも素晴らしい言葉です。確かにこれは間違いじゃない。
それに何だか「何もしてない」よりポジティブな気がします。
まさかこんな生活の中で「生きてる」事の大切さを学ぶとは思っていませんでした。




数日前のこと。
突然ラーメンが食いたい衝動に襲われた。
しかし時間は虫の音も止む午前三時、ラーメン屋は軒並み閉まっている。
だがしかし、この衝動は最早カップラーメンなんてぬるま湯では抑えきれない。
ラーメン・・ラーメン・・ギブミーラーメン
一寸悩んだ末、その小さな旅は、ひっそりとその一歩を踏み出した。


JR中央線武蔵小金井駅前。
普段御用達のラーメン屋二軒、プラス良く前を通るラーメン屋一軒
の良く知る三軒はもう閉まっていた。
比較的夜遅くまでやっている豚骨系の「ひごもんず」(最近リニューアル)
も、すでに看板の灯は落ち、その中では店員がいそいそと跡片付けに勤しんでいる。
ここが駄目だと望みは薄いな・・・
と思いながらも、この衝動は留まる所を知らない。
耐え難い程の空腹。そしてその胃袋が間違いなく求めて止まない一つの物。
「ラーメン」
北口を背にして左方向、新小金井街道へと足を向けた。
新小金井街道、中でもその武蔵小金井付近、線路から五日市街道へ交差するまでの
その僅かな区間は、通称「ラーメン街道」と呼ばれており
幾多のラーメン屋が立ち並び、凌ぎを削っていた。
都内の有名激戦区の一つとしてもその名を馳せている。
こんな場所が自宅付近にあるとはなんて幸せなんだろうと
何度思ったことか解らない。
静まりかえった夜の闇を、ラーメン街道を目指し、進んでいく。
休日の昼間は中々に盛況を見せるラーメン街道だったが
いざ到着してみると、今は途中で通り抜けてきた住宅街と同じく、ひっそりと、
そして息を飲むようにして寝静まっている。
たまに通りかかる車のヘッドライトが眩しい。
ほとんどの店が閉まっているけど、これだけ数があるんだ
一軒ぐらいはまだやっているはずさ。
と、自分を励ますようにして足を進めた。
だが、行けども行けども店は閉まり続けている。
頼みの綱だった味噌系「まるしゅう」も
午前二時をもって営業終了となっていた。
ここまで来て、そういえば以前にも似たような事があって
ここに来た気がするな。と思いだした。
確かもうこの時間では、全てのラーメン屋は閉まっているはずだ、とも。
自分の学習能力の無さを恨みながらも
またそこで一寸、考えた。
確かに、ここで「そうだった」と思い直して家に帰るのは簡単だ。
だがしかし、ではこの空腹は?この、衝動は?
一体どうなるというのだ。
家に帰ったからといって、何か少しでも満たされる事があるのだろうか。
答えは、否。だった。
足を進めるしかなかった。どっちみち選択肢は残されていないのだ。
この飢えをしのぐには、ラーメン屋を探す他、ない。
解っていた事じゃあないか。始めからそのつもりで、この旅を始めたはずだ。
もしかしたら、何処かの店が営業時間を変更しているかもしれない。
もしかしたら、新しい深夜営業の店がオープンしているかもしれない。
そんなあり得ない期待で自分を励ましながら、歩き続けていった。


案の定、ラーメン街道の店は全て閉まっていた。
五日市街道との交差点まで来て、その先へ続く
灯りの少ない寂しげな道なりを眺めながら、途方に暮れた。
これから一体、どうすればいいんだろう、と。
見上げると、空は濃い、無地の藍色をしている。
気力を打ちひしがれて、ただそうして呆然としていると
足が不思議と一歩、また一歩と、動き始めた。
視線をゆっくりと落とす。
「そうだよな、もう、こうするしか無いんだよな・・・」
優しく足に語りかけると、足はその言葉に反応するかのように
再び力強く地面を蹴り始める。
旅の終わりにはまだ、少しばかり早すぎるようだ。


五日市街道から先は、はっきり行って何も無い。
ひたすらマンションと畑が続き、その隙間にコンビニがポツンポツンと
現れるくらいのものだ。自動販売機で水分を補給しながら
その道を歩き続ける。一体何処へ向かっているというのだろう
この先には何も無い。そんな事、百も承知のはずじゃあないか
そう思いながらも、歩き続けるのを止める事はできなかった。
体を動かし続けたせいか、それとも過ぎ去った時間のせいか
空腹感は一層増し、体全体を支配するようになっていた。
最早、その事以外を考える事すら不可能なほどに
ラーメン・・ラーメン・・・ギブミーラーメン・・・
そう呟きながら、まるでラーメンの亡霊に取り付かれたゾンビのように歩き続ける。
しばらく行くと、その先に小さく、黄色い灯りがポツンと輝いているのが目に入った。
まさか
走った。残りの体力を全て振り絞る勢いで、走り始めた。
まさか、まさか、まさか。
黄色い看板。何処で植えつけられたイメージか解らないが
黄色=ラーメンという、非常に漠然とした、不確かで頼りないイメージが
不意に脳裏をかすめる。それは確かに不確かで頼りない。だけれど
どんなに不確かで頼りなくても、それにすがる他、今は無い。
チェーン店だろうがなんだろうが、構わない。寧ろこの際
味がどんなに悪かろうとも構わない。それがラーメンであれば。
とてつもなく不潔で、店員が無愛想極まりなくても
それがラーメンの体を成しているのなら、今なら文句の一つも言わず
まるで豚のように貪り食う事であろう。
ラーメン・・ラーメン・・・
サンダルが片方脱げ、宙を舞った。
ラーメン・・・ラーメン・・・
つまずき倒れかけながらも、走る事を止めなかった。
ギブミー、ラーメン!!


そして、その黄色い看板の目の前で、まるで泥人形のように崩れ落ちた。
ペリカン便」
その看板にはそう書いてあり、間抜け面をしたペリカン
蔑むようにこっちを見ている。
その場でうずくまり、声を上げずに、泣いた。
もう一歩も動ける気がしなかった。
何をしているのだ、こんな時間に、こんな場所で
一体自分は何をしているのだ。
たかがラーメン、されどラーメン、なんでラーメン
ひとしきりそうしていると
うずくまる自分の股の間から、逆さまになった地面に
ポツンと放り出されたサンダルが目に付いた。
ああ、サンダル、取りに行かなきゃ
ふらふらと立ち上がり、ぎこちない歩き方でサンダルへ向かった。
サンダルを履きなおすと、ゆっくりとまた、再び同じ方向へと歩き始める。
もう既に、ラーメンの亡霊は心から抜け去っていた。
どうでもいい、ラーメンなんかもう、どうでもいい。
体は、そしてこの旅は、もうラーメンという物体とはなんら関係の無い物になっていた。
ただ、進む。もう、何も考えずに、ただふらふらと、何も考えずに。
目的も何もなく、ただ歩き続けた。


またしばらく歩き続けると、今度は赤い看板が見えた。
ゆっくりと少しずつ少しずつその看板へと近づいていく。
すき家
その看板にはそう書かれていた。
ここまできて、ここまで歩いてきて、牛丼屋か・・
自分自身を笑った。なんて情けないんだろう。なんてカッコ悪いのだ。
そう思いながらも、扉を押して中に入った。飢えは、まだ、乾いていなかった。
店員は一人しかいない。
メニューをパラパラ捲りながら、豚丼とネギ、玉子をトッピングで頼む事にした。
その注文をしながら、自分自身の注文に、
まだラーメンの面影を追い求めているような気がして
より一層自分が情けなくなった。


が、人間とは不思議なもので、腹が満たされると
今までの事がなんとも下らなく阿呆極まりない事のように思えてくる。
なーんであんなにラーメン食いたかったんかなあ
と膨れた腹をさすりながら考えて、
まーいっかー。とネギ玉豚丼の勘定を払って店を出る。
なんだか結果的にラーメンより安上がりに済んで良かったじゃないか、
とさえ思えてくる。
店を出て、自分の来た道を振り返ると、
なーんでこんなに歩いたかなあ、あれえ、こんなに歩いたっけー
と思い、非常に面倒臭い気分になる。
うーん、帰るのダルい。つーか眠い。
そう思って駐車場でちょっと寝た。


寝起きに買った缶ビールはクソ不味かった。
SUPER BLUEとか言うヤツ。




まあ何が言いたいかというと。
人間は欲求がある時ってーのは非常に積極的にそして一生懸命に
何か動きだすもんなんだなあという話。
そういうのが無い時ってーのは本当ネギ玉豚丼食った後みたいな感じですね。
ただ、結局それって衝動だから
自分じゃどうしようもないんような気もします。
人間衝動があるか追い込まれるかのどっちかがあるとアグレッシブになりますね
ただ追い込まれるは嫌いだからね。皆そう。
もしかしたら自分だけかもしれませんが。そういう意味では自分一人なら
本当に贅沢しなけりゃなんとか生きてける社会ってのは幸せなのか解らんね。


そういえば昔の偉い人がこんな事を言ってました


「何かを始める時に、大事なのは
 無知である事。退屈である事。衝動がある事。
 この三つがあればできない事は何もない。
 そして、それらを全て持っているのが若さである。」


まあまったくもってその通りだと思います。年食ったんでしょうかね、自分も。
で、最近思うのはやっぱ恋って大事なんじゃあないかって事
恋って欲求だし衝動でしょ。一番身近なね。
それも付き合う前のあの感じね、付き合っちゃあ駄目なのよ
なんていうかそういう感じ。
何より恋って落ちる物でしょ。自分から頑張って恋を始めるって言うよりも。
そんで落ちた後はやっぱり一生懸命になる。
恋をすると世界が変わるってのもそういう事なんじゃあないでしょうか。
つまり自分に今足りないのは恋だったのだ!!
皆さん恋をしましょう。
いやぁー、恋って本当(ほんっとう)に、素晴らしいものですね。


と、借りてきたNANA(1・2)とハチミツとクローバー(共に実写映画版)
を見ながら思うのでした。




追記
そういえばまったく関係ないんですが
この度フジロックに出演が決まった事で話題騒然の
太平洋不知火楽団)の笹口君が最近
バイトを辞めて「ニートのプロ」になったそうです。
おめでとうございます。
自分としては、これからも太平洋不知火楽団、もといニートのプロ笹口君を
応援し続ける所存でございます。
と、おもむろにウルガのサイト開いて笹口君と目があって
ビックリした拍子に固く誓いました。


http://www.urga.net/