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不死儀遊戯

気が付けば何時の間にか十二月になっていた。
師匠が走るだけあって忙しい訳である。


そんな中、先日友人と話していてふと気付いた。


あ、そういやまだドラクエ(Ⅶ)全クリしてねえ。と


始めたのが確か八月頃だったはずなので
ゆうに4ヶ月は経っている事になる。
こう書くと随分難易度高めのゲームなのか
さぞかし内容盛りだくさんのゲームのようにも聞こえるが
まあ決してそんな事はなく
単純に自分がやっていないだけである。


このドラクエはたまたま気まぐれで
手を出してみたわけなんだが
基本的に自分はゲーム(TVゲーム)を
やらない人間である。ゲーセンにもあまり行かなかった。
もちろん世代が世代なのでまったくノータッチ
な訳ではなく、中学ぐらいまでは人並みにやっていたし
初めてスーパーマリオブラザーズに触れた時の衝撃は
今でも脳裏に焼き付いている。


今、ゲームは日本の一大産業として
頑張っているようでなによりである。
自分の周りにもゲーマーは多い
その理由もなんとなく解る。
面白さ云々も何よりだが
一種のヴァーチャルシミュレーション
またはそのインスタレーション性において
ゲームほど秀でたメディアも他に無い
であろうからである。
少なくともこれがTVゲームという分野を
ここまで持ち上げた一要素である事は間違い無いだろう。
ことにアドベンチャーやRPGにおいては
その世界の中でキャラクターを扱い
自由に動き回れる分、小説や漫画、映画なんかよりも
圧倒的に主人公に対する感情移入度が高い。
主人公に自分の名前を入力するのも
至極一般的な行為である。
ピーチ姫を助け出すのはマリオであるのと同時に
自分自身でもあるわけだ。


そこに技術の発展が絡んでくる。
この日本という国は文字通り現金な国なので
金にならない物はどうにも発展しないが
金になる物、しかもそれが得意分野となれば
凄まじい勢いを見せて発展する。
ちょっと前までどっかの科学博物館の
未来コーナーみたいな所で
「最新ヴァーチャルリアリティ」のような
肩書きで展示されていた物が
今はそれを遥かに上まわるクオリティで
ゲームとして巷に出回っているのである。
技術によってゲームの世界のリアリティは
上がっていく。さらにはそのシナリオや設定、
オプション、さらには会話システムまで細かく
作りこまれてきている。
あたかもその中にもう一つの世界があるかのように。
最近ではインターネットも絡まって
さらに事態は複雑に、そしてリアルになっている。


ゲームはどこまでもリアルさを追求していっている
ようにも思えるが、そうでない部分もある
そしてその部分が一番重要な部分でもあるのだ。
それは「冒険」である。
そのリアルな仮想現実とスリルやロマンある冒険によって
人はゲームの世界にのめり込む。
それはあたかも退屈な日々から逃げ込むようでもある。
そう、ゲームの世界には日常にありがちな
「退屈」は存在しない。
その代わり、日常には滅多にない
「冒険」が容易されているのだ。
それも、絶対安全な冒険である。


自分はゲームにのめり込む事を否定するつもりはない。
「少年犯罪の一つの原因」とされる説も
自分にはどうもピンと来ない。
もちろん無関係とは言い切れないが
そこにはかなりのメディアの誘導がある気がする。
以前、何かの少年犯罪についての新聞記事の中で
僅か800字程の記事の中に、14個も「ゲーム」
という単語が出てきた時は、流石に疑惑の眼差しを
向けざるをえなかった。
それは、最近の事件の理解ができない者達が
同じように自分達が理解できない分野に
責任を擦り付けているだけのようにさえ見える。
自分は寧ろ、ゲームという分野に可能性を感じている。
その類まれなヴァーチャルシミュレーションや
インスタレーション性は、単なる娯楽としてではなく
もっとアートや様々な分野に取り入られて良いはずであり
一つの「作品」と扱われても良い物もあるのではないだろうか。
今は個人製作に対する制作費諸々の問題等があるものの
近いうちにそうなるのではないかと思う。
ちょうど今の漫画が一部そうなりつつあるように。
実際、ゲームのクオリティはそこまで来ていると思われる。


ただ、である。
ただ自分は、ゲームの虚構世界よりも
現実世界のほうが遥かに面白いと思うのだ。
思えば、自分がゲームを離れた時期は
ちょうどバンドを始めた時期と奇妙に重なっている。
当時の自分にとって、それはきっとゲームより
スリルある物に感じられたのかもしれない。
もちろんゲームの楽しみ方は人それぞれなので
一概には言えないが、もしかしたら
ゲームにはまる人達の中には
現実の「冒険」を探し求めている人もいるのかもしれない。




まあとにかく、ドラクエを全クリしろと。
因みに今アイラを仲間にした所です。
解りやすく言うとディスク2枚組でまだ
1枚目の途中って所です。
頑張れ自分。