むらふぁけ -murafake- (移行調整中)

ムラカミロキ -MurakamiLoki- nzchao.Exp Official Blog

誰だよ?

友人に借りたフーのライブDVD
THE WHO live at the isle of wight festival 1970)
を見る。相変わらずこのバンドは
カッコイイのにどこか変というか
変なのにどこかカッコイイというか
(まあどっちでもいいが)
変なバンド・キワモノバンドなんかは結構
巷に溢れているもんだが、このバンドはそういう事じゃなく
もっと違う次元で変な気がする。


まあとにかく格好良い。ここまでのバンドとなれば
メンバー全員かっこ良くて変(?)なもんだが
特にこのライブではドラムのキース・ムーンがやばい。
「お前何者だよ」
と言いたくなるほどカッコイイ。
ハッキリ言って今まで見たドラムの中で
一番胸にきたと言っても過言ではない。
しかし、いつも思うのだがピート・タウンゼント
ギターソロの時はたまに音出し損ねたりするくせに
なんであの風車奏法の時には確実に音が出ているんだろうか。
なんだか不思議である。


このバンド、THE WHOと自分との出会いは
高1の時、訳あってなぜかロサンゼルスに行った
時の事である。


向こうでとあるお店に入った時である。
そのお店のオバちゃんが俺を見て声をかけてきた。


「Do you like Rock'nRoll?」
(あんたロック好きかい?)


その時すでにロック少年だった自分は
笑顔でこう答えた。


「イエー!」
(大好きさ!)


するとオバちゃんはその時店で流れていた
粋なロックンロールを指差して何やら俺に尋ねてきた。
大した英語力の無い自分には何を言っているのか
サッパリ解らなかった。
が、なんとか単語を拾って推測すると
どうやらこの今かかってる曲が誰の曲なのか
尋ねているようだ。
かかっている曲をカッコイイとは思いながらも
聞いたこと無い曲だったので


「ノー、ソーリー、アイドンノー」
(いや、ごめん、僕にはわからないよ)


するとオバちゃんはこう続けた


「ノー、ノー、フー、フー」


え、フー・・「Who」か?
いや、だから「誰」って聞かれても俺知らないって


「アイドンノー、アイドンノー」


しかしオバちゃんは続ける


「ノーノー、イッツフー、ザフー」


「アイドンノーアイドンノー」
「フーフー」
「アイドンノーアイドンノー」
「フーフー」


この単語だけが五分くらいオバちゃんとの間に
舞い続けた所で、ある事に気付いた。
(もしかして「フー」って、バンドの名前か?)


「・・・イッツバンズネーム?」
(もしかしてWhoってバンドの名前?)


「イエス!フー!ザ・フー!」
(そうよ!WHOよ!THE WHOって言うのよ!)


その瞬間オバちゃんと自分はまんべんの笑みを浮かべた
まさしく異文化・言語の壁を乗り越え、心と心が
一つになった瞬間である。


そうして
(なんだよ紛らわしい名前付けやがって
お前ら本当に何者だよ、つーか誰だよ。)
という気持ちを引っさげて
タワーレコーズに向かい
THE WHOの「WHO ARE YOU」という
今の自分の気持ちにピッタリなアルバムを買って
帰国したのである。


そしてアルバムを聞いた当初の感想
「なんか、変だ」
ちなみに始めてその映像を見たのは
同じく高1の時、友人宅でウッドストック
ビデオを見た時である。
その時の感想
「やっぱ、なんか、変だ」


それ以来自分の中でTHE WHO
「最高にカッコよくて変なバンド」として君臨しているのである。