先日のライブで久々に会った友人が
サンプラーやらシンセサイザーやらなんやらを
ステージ上にズラリと並べて三人がかりで何やらやっていた
まあ今の時代そういった機器が使われるのも
大して珍しい物でもなく、実際自分もよく目にする光景ではあるのだが
元々、(あくまで自称)骨太パンクロッカーだった自分としては
高校時代まではシールド直結ボリュームフルテンを信条とし
「音色?
そんなの気にするのは気合が足らねえ証拠だ!」
「エフェクター?
んなもん自分に自身がねえ奴がごまかすために使うもんだろ!?」
「シンセサイザー?
そんな女々しいオタク楽器撲滅しろ!!」
とかのた打ち回りこそしないものの
ひっそりと思い続けていたのである。
(エレキベースなんかも電気楽器だったり
エフェクター使わなくてもアンプで歪ませたり
その他もろもろの諸事情は棚に上げていた)
そんな自分が今となっては友人からシンセ買ったり
ライブでBluesDriver踏んだり
「ベースの音が上手く作れないなあ」
とか
「SONARって何であんなに高いんだろう?」
とか言い出してるんだから
まあ人間、変われば変わるもんである。
(でもまあ、そういう気持ちってのは大事だとは思う)
そんな経歴を経ているもんだから
自分としてはそういった電子楽器の類ってのは
好きなんだが如何せん使いずらい位置に今だにいる。
ちなみにこういった趣向の変化のきっかけは
まあ色々あるんであるが、一番はおそらく
Scatman Johnをひょんな事で聞き直した事である
まあBOOKOFFで100円だったんで買ってみたんだが
家に帰り、CDをプレーヤーにセットし、再生した瞬間に思った
「こ、これは、未来の音楽だ!」
スティングロンデリィングロンドロンデ
リィンデリィングドンドドンドドドン
Scatman's World・・・
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッピーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーポーペーッパッパパロー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
サビ
Aメロ
Bメロ
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッピーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーポーペーッパッパパロー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
サビ
Aメロ
Bメロ
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッピーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーポーペーッパッパパロー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
サビ
scat soro
スキディビディバオロボウンデゲンデジェレ ジェデゲェンジェンデヂェン
バンダバレベ デレェンゲェンデジェン バンダバレブ ナバルララララララ
デベレベ ドゥユダゥダドゥユダタデゲュレルレルレルレルレルレルレルレルレ
バァブダブバブァダバダバダバダ Hey Yeah!
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッピーパパティー
パーポーペーッパッパパローパーポーペーッパッパパロー
パーポーペーッパッパパローパーパーパーッパーパパティー
サビ
スキディバランデベンベレン
転調サビ
(パパパパーパーパーッパーパパティー)
(パパパパーパーパーッティーパパティー)
ディディンディディングドング
(パパパパーパーパーッパーパパティー)
ドドングドンドドングドドグドンディディディディンディングドドン
(パパパパーパーパーッティーパパティー)
グドドドングドドンドドングドドディディディングディングディングディングドン
(パパパパーパーパーッパーパパティー)
ドドングドンドドドンドドンディディンドディンディディングドンドドン
(パパパパーパーパーッティー・・・)
ドドンドドンドンドドドド・・・
とまあ一見すると暗号か文字化けか何なのかみたいな感じではあるが
まあこんな感じである。このまさに電子音か?とすら思わせる独特のScatVoiceと
当時未知の領域に近かったファンキーなエレクトリックサウンドにやられたのである。
ちなみにこれはScatman Jhonのファーストアルバム(SCATMAN'S WORLD)
に収録されている「SCATMAN'S WORLD」である。これは発売当時馬鹿売れしたので
家のCDラックに眠っている人も多いはずである。
そういう人は是非この機会に聞きなおしてみてほしい
Scatmanの魅力を改めて感じると共に、上の記述が原音にどれだけ
忠実に書き起こされているか解るはずである。
(どうでもいいが、ScatVoiceをここまで忠実に
日本語に書き起こしたのは
もしかしたら自分が世界初なんではないだろうか
まあ流行っていた当時は結構いたのかもしれないし
なにより本当にどうでもいい事だと思うが)
ところでこのScatman John、大抵の人に
「あー、あの一発屋の変な歌のおっさん」
という風に思われている事が多い。
まあ事実、そう言ってしまえばそうなんではあるが
しかし、彼がやっていたのは単なる「変な歌」であり
一種の「道化」であったのだろうか
それは否である。
ここで「SCATMAN'S WORLD」の
ブックレットの冒頭を引用させていただく
My name is John Larkin.I am a parson who stutter.
About eight years ago,when I discovered that my stuttering,
Which had haunted me for so long,was a gift, a source of
strength and source of humility in disguise.
That was when my life changed from living in the problem
to living in the solution.
What is the solution? Wellfor me it is to try to help
all of us kid s out there who are strtuggling.
That is why I dedicate this album to all of who
have problems living in a confused world... wich
includes those of us who stutter.
- 私の名前はジョン・ラーキン。私は吃音者です。
8年ほど前、長い間私を苦しめてきた「どもり」が一つの才能であり、
また強さの源、隠れた謙遜であると発見しました。
それから私の人生は苦しみから解決とともに生きるようになりました。
その解決が何だったか?それは全ての苦しんでいる人を助けることです。
そして私はこのアルバムをこの混乱した世界で苦しみを抱えながら生きる人
吃音者も含めた全ての人に捧げます。-
みたいな感じである。このとおりScatman Johnことジョン・ラーキンは
吃音症であり、またそれを幼少時から克服しようと努力していた。
「子供の頃、私は自分自身を表現する方法を話すこと以外に
見つけなければならなかった。」
彼はScatmanになる以前はジャズピアニストとしてキャリアを築いていた。
全般に見られる彼の音楽センスはおそらくこの時つちかわれた物だろう。
有名な「Scatman」や「Scatman's World」では解り難いかもしれないが
その他の曲目にはその辺が如実に表れている部分もある。
「私は、話すことが怖かったのでピアノの後ろに隠れるようにしていたんだ。」
彼がジャズピアニストとしてBeBopを奏でているある日の事
彼は自分が適当な発声や音節を歌い上げると
自分の吃音が曲を盛り上げるのに素晴らしい効果を発揮していると気付いたのだ。
彼の最大の持ち味であるその歌い方「Scat」
の発見であり、発明である。
「Scatは、吃音から自由になる方法をあたえてくれた。」
彼は1回に4つ近く音の調子を変えるという珍しい歌唱法を持っており
その技術は、古いヒンドゥー教ののどで歌う方法を引き継いだものである。
さらにそれは、Scatとモダンアーバンラップとダンスミュージックを
結びつける事が可能であった。
そして、彼は"Scatman"Johnとなる。
ある日の午後、Icebarg Recordsの社長が電話をかけ、
「ScatRap」というコンセプトについて提案をした。
1994年の夏の事である。
彼は6時間掛けてレコーディングをした。
だが彼はこの時、とてつもなく不安だったと言う。
だがこの楽曲は彼の不安と裏腹に
ヨーロッパのチャートでNo.1に上り詰める事になる。
それが「Scatman」である。
上記したように彼は元々、自分の「どもり」に
かなりのコンプレックスを持っていたのだ。
一時期はアルコールとドラッグに苦しんだ事もあったそうである。
彼がファーストシングル、「Scatman」を作る時
不安だったというのも当然の話である。
今まで自分を苦しめ、ひた隠しにしてきた
コンプレックスその物をあえて前面に押し出して
大衆に晒そうというのだ。そこには相当な葛藤が
あったであろう事は想像に難くない。
だが彼は勝ったのだ。その葛藤に、そして自分のコンプレックスに。
Everybody's saying that scatman sttutters,but doesn't ever stutter when he sings.
But what you don't know I'm gonna tell you right now that the stutter and the scat is the same thing
- スキャットマンは吃るってみんな言うけど、歌うときは吃らない。知ってるか?
吃りとスキャットは同じことなのさ(シングル「Scatman」より抜粋)-
彼のScat、吃音は最大のコンプレックスであると同時に最大の武器であった。
彼はその矛盾を最後まで持ち続けていたのではないかと思う。
彼は来日時のインタヴューでこうも言っている。
「今度のアルバムで試みたスキャット・ラップというのは
ジャズ・スキャットとラップを融合させたものなのですが、
ここで歌っているようにスキャットというのは解放された吃音である、
と私は考えています。だから私達が吃っているとき、
それはスキャットしていると考えてもいいんですよ。
もし私が吃っていなかったらスキャットマンにもなっていなかったでしょう。
だからかつて吃音は私を支配していましたが、
今は私の召使いになっている、ともいえるでしょう。
もはや私は吃音の犠牲者ではありません。
とはいえ、私もまだ完全に吃音が恥ずかしくなくなった、とはいえません。
自分の中では、やはり時々吃ることを恥ずかしく思う気持ちがあります。
特にテレビやラジオの仕事で吃るときなんかにね。
でも、そのような恥ずかしい気持ちを乗り越えるべきだと思っているし、
それがまた自分を成長させるということはよく分かっています。」
また彼の代表曲、「Scatman」と「Scatman's World」のPVでは
彼のScat、吃音の源であり象徴である口元が強調して
映されている部分が共に確認できる
SCATMAN
http://www.youtube.com/watch?v=uo1w2Y4yj-8&mode=related&search=
SCATMAN'S WORLD
http://www.youtube.com/watch?v=OUWBAy3bATI&mode=related&search=
彼が日の目を見たのはデビューから亡くなるまでのおよそ10年
世界的に注目されたのはわずか5年足らずである。
その人生に比べたら余りに短すぎるのではないだろうか。
そして、このScatという発明をし
自らのコンプレックスを打ち破り
「混乱した世界で苦しみを抱えながら生きる人吃音者も含めた全ての人に捧げる」
と言った勇敢で偉大な男を
一体何処の誰が「道化」等という事ができるのだろうか。
彼は叫び続けたのだ
I'm the SCATMAN!
Everybody stutters one way or the other
誰だってどもるくらいある
So Check out my message to you
僕のメッセージをよく聞くんだ
As a matter of fact don't let nothin' hold you back
どんなことがあっても身を引いちゃいけない
If the Scatman can do it so can you
スキャットマンにできるなら 君にだってできるさ
参考文献
「SCATMAN'S WORLD」「Listen to the Scatman!」ブックレット
http://www2m.biglobe.ne.jp/~genyukai/scatman.html
そういや今回まったく別の事書こうとしてた気がするが
脱線脱線、まあそれはまた後日。
そういえば以前うちの母親に
「Scatmanカッケー!」って言ったら
「あんた小学生の時よく真似して歌って踊ってたじゃない
覚えてないの?」
と言われました。
結構自分のルーツだったりするみたいです。
どうでもいいけどこれうける
http://www.youtube.com/watch?v=gpQ7mDqxdjU