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崖のび太のポニョ

今日おもむろに「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」を借りて見た。
特に理由も無かったんだけれども、なんとなく。
自分が子供の頃、この作品が本当に大好きだったんです。
公開が1988年ってなってるからおそらく3才かそこらの頃、
初めて映画館に行って見た映画だと思う。
パンフレットも買って貰って、それこそボロボロになるまで
何度も何度も繰り返し読んで。破れたらセロハンテープで補強して
テープが黄色くなるまでまた捲って。
後でビデオにも録画して(当時うちはベータでした)
擦り切れる勢いで繰り返し見てた。
やがてそのパンフレットは何時の間にか親に捨てられてて
テープのデッキが壊れて何時の間にか見れなくなって


その内ドラえもんなんてガキ臭いとか言う
小生意気なガキになって


そしてなんだかんだで今に至る、と。
ずっと「パラレル西遊記って面白かったなあ」
って記憶だけはあったんだけども
なんとなくのイメージでしか覚えてないし
その頃から今まで一回も見直す事も無かった。
だから今回約20年ぶりぐらいの再見、というか再会だった訳です。


何故か上原拓舞君と一緒に。


で、見た率直な感想は、と言うと
「こんなもんか」
って感じでした。
なんかもっと凄かった気がしたんだけどなあ。色々と。
決してつまらない訳でもなく、まあ良いとは思うけども
ドラえもんの大長編ならもっと面白いのあるし
筋もまあそれなりだなあ、という。
でも、大部分を忘れてると思っていたんですが
見ているうち「あぁ、あぁ」と一人で頷きながら思い出しました。
それで気がついたのが、自分が子供の頃好きだった所と
記憶に残ってる所の大部分が「動き」と演出による「雰囲気」だったって事。


最初の方でのび太がタイムマシンのから転げ落ちて、
砂漠をゴロゴロ派手に転がる所とか真似して
子供の頃何度も「のび太君のまね〜」とか言いながら
マットレスの上転がってました。
そんで母親に
「なんでのび太君の真似なんかするの!出木杉君の真似しなさい!」
って怒られたり。
(お母さん、今では僕も立派なのび太君になれました)


のび太が如意棒クルクルッと回すのがやたらカッコよく見えて
棒を持ったらひたすらクルクル回してたり。
(これも劇中ずっと回してるような気がしてたけど
 再見したらほんのちょっとしか回してなくてビックリ)


後、最後に如意棒がでっかくなって牛魔王をグーンと突き上げる所とか
凄い迫力あるように思えたし。


そんでやっぱり妖怪達がゲームマシンからヌッて顔出す所とか
帰ってきた現代の空の色が変わってる所とか
大人達の声のトーンが微妙に違ったりとか
パパの影だけに角が生えてたりとか
ドラえもんのび太が交互に「何かおかしい」って言うのと
同じように、日常がちょっとずつ壊されていく描写が
やたら怖かったのを良く覚えてた。
(先生が妖怪に変化したり、トカゲのスープがドンと出てくるのより
 そういう所の方が怖かった)
ちなみに、のび太のママが「のびちゃん・・」って呼びかけながら
階段をギシ・・ギシ・・と上がってくる足だけを映すあの演出は
今でも凄く良いと思う。


思い出話が長くなりましたが
これで何を思い出したかと言うと、先日見に行った
崖の上のポニョ」の事なんですよね。
自分はなんでか公開初日に暇があって渋谷で見たんですが
初日にも関わらず席は空いていて
前から二列目くらいに座れたんですが
ちょうど空席挟んだ二つ隣に子供が座ってたんです。
まあやっぱりカップルとか親子連れが多かったんで
特別な事でもないんですが、正直「ガキが横だと煩そうでやだなー」
くらい思ってました。
だけど、なんだかやっぱりその横の子がどうも気になって
映画見ながらもチラホラ見てたんです。
もちろん今のご時世、変質者に間違われない程度に気をつけながら。
その子は眼鏡をかけた男の子で、
丁度今思えば何処と無くのび太君に似ている子でした。
で、映画見ながら「うわっココすごっ」とか思う所でチラッと
その子を見ると、身を乗り出して見てる。
ポニョとか宗助がふわっと目に光を宿すようなシーンだと
その子の眼鏡の奥も、まったく同じで、文字通り目を輝かせて見てる。
本当、釘付けで、目をキラキラさせて見てる。
その姿見てて、自分は素直に
「この映画は成功したんだな」となんとなく思った。
自分には良く解らなかったけど。


宮崎駿監督は「五才の子供に向けて作った」とか言ってたらしい
その自分の横に座ってた子は、
良く分からないけど多分五才より少し上くらい。
自分がパラレル西遊記を見たのは三才とかそのくらい。
その頃の1才の違いはそりゃ大きいだろうけども
ポニョでその子が目を輝かせてた所と
自分がパラレル西遊記で心に残っている所
(この「所」は時間軸における部分に留まらず)
は、上手く言葉に出来ないけれど、何か似ている所があるんじゃないかと思う。
ポニョはそういった所を限りなく凝縮させた作品なんじゃないかと。
だから「子供に向けて作った」と言えたんじゃないかと。
もちろん、映画館では退屈そうに呻く子供もいたので
全部が全部の子供に響いた訳ではないだろうし
もしかしたら、自分の横にいた子が特別なのかも知れない。
でもやっぱり、子供ってそういう「上手く言葉に出来ない」部分を、
目の肥えてしまった大人が必死に言葉尻でウダウダやってる所をすっ飛ばして
もっと違う目線でしっかりと見据える力はあるんだと思う。
少なくとも、自分の横にいたのび太君は
自分がパラレル西遊記を忘れなかった以上に
ポニョを忘れないと思う。




どうでもいいけどポニョの主題歌歌ってる
女の子の横にいるおっさん二人。
藤岡藤巻」ってあの「まりちゃんズ
の藤岡君と藤巻君なんですね。
気付いた時マジビックリして一人で盛り上がってました。
「SM夜曲」とか「マ〜リちゃん ウンコしちゃー駄目ー!♪」
とか歌ってたのに何してんのよ。いやなんてこったい。
尾崎君は今何してるんでしょうか。